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［★★Happy:97] 01/06/15号


この舞台、私、リピーターです。
もう、いいかげんチケット持っているのに、
まだまだ当日券で増やしたりして通っています。

確かに、一度も行かれない人からすれば迷惑なんだから、
少しは遠慮しろよと、自分で思わなくもないのです。
でも私だって、いつでもどんな作品でも、
思ったとおりに自由にリピートできるわけじゃないんだから、
今、リピートできる環境にあることを、ラッキーと思って、
素直に謳歌させてもらってしまおうと思っています。

で、一体なぜ私が、そんなにリピートしているのか？
それがどうも、私自身にもよく分かっていないようなのですが(^^;
読んでいただければ分かるように(ネタバレ多分に含みます)、
私、これに大っ満っ足！というわけでは、ないのです。
「あの感動をもう一度！」でも「あの恐怖をもう一度！」でもない。
なぜかと考えれば、野郎どものキャラではないかと疑い始めました。

導入部のアドリブではなく、セリフに入ってからの、
彼らの無邪気なまでにアホアホな 遊びっぷり。
悪意ある者の前では、哀しく見えるんじゃないかと思うほど、
本当に人が良くて、バカかと思えるほど素直で。
いろいろな意味で、三谷さんらしくない芝居だけれど、
ある意味すれてなくて、かわいい野郎が出てくる点で、
やっぱり、三谷幸喜だなぁ・・・と感じます。
そして多分きっと、その「野郎」が複数形なのが、
私がリピートしてしまっている理由なのだと思い始めています。


＜index＞

１：チラシ＆郵便物から・・・
２：『ヴァンプショウ』 6/3、6/5、6/8、6/13

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１：チラシ＆郵便物から・・・


○『世にも素敵なネバーエンディングストーリー』

      作・演出・出演：河原雅彦
      出演：高田聖子、竹田団吾、岸潤一郎、木野花
      日時・会場
         2001/9/22(土)〜9/24(祝) 近鉄小劇場
         2001/9/28(金)〜10/8(祝) 青山円形劇場
      料金：前売り￥4,500-、当日￥4,800-
      発売：＜東京＞7/28(土)、＜大阪＞7/29(日)
      問合わせ：ＲＵＰ 03(3372)6283


○映画『ココニイルコト』

      監督：長澤雅彦
      脚本：長澤雅彦、三澤慶子
      原案：最相葉月「なんといふ空」(中央公論社刊)
      出演：真中瞳、堺雅人、中村育二、小市慢太郎、黒坂真美、原田夏希、
            久保京子、近藤芳正、島木譲二、笑福亭鶴瓶
      公開：6/23(土) http:www.herald.co.jp


  この舞台、異様にチラシが多かったので、とりあえず、
  今回の出演者関係２点のみ、ピックアップしました。
  あと、ちらっとだけですが、10月に三谷幸喜の新作
  『ホームコメディ』がParco劇場であるとも書かれていました。

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２：『ヴァンプショウ』
       6/3 14:00〜、6/5 19:00〜、6/8 19:00〜、6/13 19:00〜

※ＰＡＲＣＯ劇場
※全席指定￥7,000-
※Ｇ列14番(6/3)、Ｙ列11番(6/5)、Ｉ列９番(6/8)、Ｎ列19番(6/13)
※全１幕：約140分
※作：三谷幸喜、演出：池田成志
※島 寿男：堺 雅人、坂東正勝：佐々木蔵之介、丹下和美：橋本 潤、
  佐竹慎一：河原雅彦、野田英介：伊藤俊人、
  藤原是清(駅員)：手塚とおる、小田巻 香(女)：松尾れい子
※パンフレット：￥1,500-


＜ストーリー＞

車が事故を起こし、山奥の駅にやってきた５人の男たち。
列車が来るまでの間と、そこにいた女性も誘い、
しりとり歌などをして無邪気に遊んでいるが、
十字型の立て札を嫌がったり、何か様子が変。
そして女性は気づく。「なぜ鏡に映らないの？」

実は彼らは、ヴァンパイアだった。
できるだけ人に迷惑をかけないようにと話し合い、
人を吸わず、全国をめぐって献血車を襲っていたのだ。
しかし、知られてしまった以上は、仕方がない。
彼らは女性も仲間に加えることにするが・・・。


＜感想＞
（注：一応サスペンス？なのに、完っ璧にネタバレてます！)

最初の感想は「はい？(^^;」でした。
オープニングは、車で旅行中の５人。
暗闇の山の一本道、暇に任せて怖い話をするのですが、
この、初見から日替わりだと分かる話が、たるくって。
誰がこんなかったるい話、オチがつくまで聞いてるよ?!
って突っ込みたいのに、連中は互いに楽しそうに聞いている。

もう、他人の私から見れば、めっちゃ くっだらない会話。
楽しそうな彼らを見ていると笑えちゃうけれど、くだらない。
いかにも彼らは、日頃から一緒にいるんだなとは分かるけれど、
「てめえら、ええかげんにせえよ！客を無視して、
何を遊んどんじゃい！」って言いたくなる感じ。
彼らの関係性はよく伝わるし、導入としては◎なんだけれど、
毎回、「お前らなぁ・・・」と、苦笑してしまう。

そして彼らは、事故って暗転。現れるのは、手間暇かかったセット。
このセット、初見では この舞台最高の評価をあげたいかもと
思ったくらいの、素晴らしいものです〜(*^^*)
下手側の、中で反響するトンネルが広さを出していて、
この劇場って、こんなに広かったっけ？と思う。
重要な役目を果たす泉は、セット中央下手寄りで、
ずっと水音を立てて、効果音にもなっている。
立っている女性は、風景に溶け込んでいるので、
しばらく気づかなかったりするけれど、それも効果のうちか。

話は、怖くなかったです。
話が進むにしたがって、女性への違和感が浮き上がってくると、
「ホラーコメディ」らしい感じも出てくるんじゃないかと思うのですが、
彼女に「普通なんだけど、どこかが変」という印象が足りない。
「公園で、仲の良いお母さん同士で、楽しく しゃべってたら、
餌をくれるのかと思ったか、足元にハトが寄ってきた。
それを話相手が突然『汚い！』と蹴飛ばした」みたいな意外性。
周りにいる他のお母さんたちは気付いていないけれど、
私だけが見てしまって、ゾッとした、みたいな怖さ。
人のいいヴァンパイアたちは全然 気が付かないんだけれど、
そんな、観客だけが感じる、無神経さや違和感が欲しいと感じて。

一瞬だけ感じたのは、島君の手当てをするシーンかな？
彼女は、傷を拭いた脱脂綿を、無造作に地面に投げ捨てる。
手当てを続けるのに持ってると邪魔だから どけた、という印象。
脱脂綿の落ちる場所が、たとえ、神の水が湧く泉の中であろうが、
ゴミ箱であろうが、自分の視界でなければ同じと思っている印象。

そういう、客観的に見れば気づくけれど、
当事者であるヴァンパイアたちは気づかないような
小さな「えっ？！」が、積み重なっていった後ならば、多分、
彼女が独りで舞台上に取り残された間も、長く感じなくなる。
逆に「彼女を独りにしたら、絶対 何かやるよぉ(ToT)」
という恐怖が、感じられるようになると思うんです。
例えば、映画『ジョーズ』で、サメがガバァッ！と来る前に、
♪ダンデンダンデンダンデン・・・と流れている間のように。
それがないままに、いきなり長い間があって、ナイフ取り出して、
丹下をザックザクと切り始めても、どうしたの？？という感じです。
演出か役者か、どちらが イマイチなのかは分かりませんが、
それが、最大というか唯一、この舞台に感じている、足りない部分。

ただ、怖くはないけれど、十分に楽しめます。
もぉぉ、ヴァンパイア野郎どもは、最高！(*^^*)
高身長にマントひらひらさせて かっこいいのに人の良い部長さん。
その横で、いろいろ必要なことに気付いて、嫌なことも言う割に、
意外と苛められ かわいがられている世話女房な副部長さん。
異様に しっくりくるボケ突っ込みノリが素晴らしい不死身野郎に、
小うるさいけれど生真面目さが愛されるメガネ君も素敵♪

１人だけ年下の使いっぱ君も出張ってるし、
本当に様々に魅力的で、ミーハーに目移りしちゃいます。
その上、「お能天気で愉快な仲間たち」キャラが、
日に日に増してきて、彼らの会話のテンポのいいことったら！
毎回、本当に楽しい気分に のせられてしまいます。
行く前に、「すごいメンバーが揃ってるんだよ！」と言われたのが、
どんどんと納得できてくるのが幸せです(^^)

それだけに、「自分に害をなす者は、皆、死んじゃえ！」なんて、
おっそろしい女一人に関わったせいで、彼らが ほぼ全滅する最後が、
本来なら、もっともっと気持ち悪く感じられるはずだと思うのですが。
最後に至ってもなお、彼女の怖さが ちゃんと見えてこない。
観れば観るほど、後一歩なのに！感の漂う舞台です。
いちばん怖いのは、もしかすると脚本の怖さは全く出ていなくて、
実は、５＋１人の野郎どもの魅力だけで２時間半楽しんでいるのかも？と、
考えてしまいそうになる自分かもしれないのですが((((^^;

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