＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ［★Happy:114] 02/03/25号 偶然にも、役者さんが体調不良で降板して、 急遽 立った代役さんで公演することになった舞台を、 ２日連続で、観てくることになりました。 代役での舞台なんて、そうそう観ることはないけれど、 今まで唯一（劇団四季の いきなり変更は除く）当たった、 『大江戸ロケット』は大当たりだっただけに、不安は少なめ。 とはいうものの、２日連続ともなれば、 両方とも当たりという可能性は低いかなぁと、 最初っから、多大な期待はしないようにして行きました。 失礼かなあ？でも、期待は低めの方が満足度も高いし、 舞台は楽しめるに越したことはないですから。 それで、もともとの役者さんを思い出さず、 観なくても十分！と思えれば最高ですし。 さて、今回はどうかな？ ＜index＞ １：『Side by Side by Sondheim』3/22 19:00〜 ２：『You are the Top〜今宵の君〜』3/23 14:00〜 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・ １：『Side by Side by Sondheim』3/22 19:00〜 ※東京芸術劇場小ホール ※全席指定￥5,500- ※Ｈ列10番 ※１幕50分（休憩15分）２幕55分 ※今陽子、吉岡小鼓音、治田敦、黒部進 ※演出：広崎うらん ＜感想＞ 森田浩貴さんが急病のため、 急遽、治田敦さんが出られていたのですが、 雰囲気の見える歌い方で、気持ちよく観られました。 以前に『太平洋序曲』で、ソンドハイム経験済みだし、 もしや、どこかで歌ったりもされていたのかな？ ♪Being Aliveなど、時間がなかったとは思えない こなし方で歌われていて、底力を感じましたし。 時々、若干 不安定で、浩貴さんで観たかったなーと 思ってしまった部分もあったけれど、本来の 私の目的自体が、浩貴さんだったので仕方ないかも。 ２人の女性と１人の男性によるショー仕立てで、 黒部進さんはナレーションと、１曲の演技参加のみ。 主に歌われていたのは、『フォーリーズ』『カンパニー』 『リトルナイトミュージック』からの曲だったのですが、 ２幕には、ソンドハイムが作詞のみで参加した曲も数曲。 ただ、どうやら私はソンドハイムの「曲」が好きらしく、 ソンドハイムを聴くぞ！と思っている時には、 『West Side Story』ですら つまらなく感じてしまって。 でも、今陽子さんのアニタ＆小鼓音マリアのデュエットは、 なかなかイメージが合っていて、面白かったです。 オープニングとカーテンコールで使われた 『ローマで起こった奇妙な出来事』の曲も、すごく好き。 どこで聴いたのかは分からないけれど、覚えがあるから、 割と いろいろ使われている曲なんじゃないのかな？ 黒部さんの解説を聞いたりリーフレットを読んだりすると、 どうも、ストーリー的には日本人受けしにくそうなので、 『ローマ〜』『フォーリーズ』ともども、日本版公演は ありえないだろうという気がするのが寂しいですが、 こういう紹介ミュージカルだけでもやってもらえて、 生で聴けたのは、とても嬉しかったです。 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・ ２：『You are the Top〜今宵の君〜』3/23 14:00〜 ※世田谷パブリックシアター ※Ｓ席￥9,000- ※Ａ列10番 ※１幕もの：140分 ※浅野和之、市村正親、戸田恵子 ※パンフレット：￥1,500 ※作・演出：三谷幸喜 ＜あらすじ＞ かつて、一斉を風靡した女性歌手「にしき」がいた。 だが、彼女は事故か自殺か、死んでしまった。 追悼パーティーを開こうという話になったとき、 彼女を売り出した作詞家と作曲家が、 久しぶりに、一緒に曲を作るために集まる。 曲を作る期限は、その一晩だけ。 その間に、かつて互いに隠していた事実や思いが ポロポロポロと、転がり出してくる・・・。 ＜感想＞ もう、戸田恵子ブラボー!!!彼女さえいれば、 男性２人は誰が演っても面白いだろうと思うくらい。 なんて、いい女なんだろう！最高。惚れ直しまくり。 三谷芝居に最高に似合う女優だとは思っていたけれど、 三谷さん自身も、そう思って惚れ込んでいるのだと納得。 ちょっと外れてるのに、それが謎で、どうにも魅力的な女。 自分こそが彼女を理解していた！って言いながら、 ２人の男が過去を暴露しあっても、本当の姿は見えてこない。 だから、浅野さんが鹿賀さんの代役であることは、 全然、私には気になりませんでした。思い出さなかった。 もちろん、彼自身の力量もあるのだと思いますが、 本当に舞台に溶け込んでいて、良かったと思います。 ほんのたま・・に、妙な間や噛んだセリフもあったけど、 高水準な中だから若干 目立っちゃったかな程度。 市村さん演じる、どうにもハイすぎるほど よくしゃべり、 人付き合いも良く、今現在も売れっ子の作詞家に対して、 芸術的レベルを追求するあまり、時間にも遅れがちで 今では、小さな仕事しか貰えていない作曲家役でした。 彼自身の持ち味か、生真面目な印象がよく出ていたので、 市村さんとの対照性が面白かったと思います。 にしきとの過去の話を言いはじめると、 そのギャップもまた、面白く感じられて。 全体的に、非常におしゃれで大人っぽくて素敵な話。 あまり三谷っぽくないなぁと思いながらも、 面白く、それとして満足して観終わりました。 でも、満足だけど ちょっとだれてしまう時もあった。 何でかなぁと考えてみたら、思いついたことが一つ。 観終えた時には気づかなかったけれど、一晩 経ってみると、 見せたいのは、男同士の関係なんかじゃなかった気がして。 ここまで戸田さんの役を魅力的に書き込んだことを考えると、 本来、１人の女を挟んだ男たちの馬鹿さが描きたかった気がする。 だとすると、男たちに必要なのは、対照ではなく相似。 明るいスケベと むっつりスケベ。２人ともスケベ。 似たもの同士が、既に過去になってしまった１人の女との、 過去の自慢話を繰り広げて、馬鹿馬鹿しいケンカしてる。 結局、そういう話のはずだったんじゃないのかな？ だとしたら、すごく三谷さんらしい作品だと思えるし。 観てその日は、これでいいじゃん！と思っていた。 でも、２人の男たちの小ずるい駆け引きを思い出すと、 やっぱり鹿賀さんの方がバランス良かったかなぁとも思う。 面白かったけれど、別の作品になってたのかも。 そう考えると、よくもまぁ全く別の作品を、 ここまでの完成度に仕上げたものだと、感動しますけど、 やはり、鹿賀さん版での再演を観たいと思ってしまいます。 何ってったって、当て書きの三谷ですしね(笑) =================================================================