＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
 
［★★Happy:116] 02/04/06号


先月の『ＨＯＮＫ！』に続けての、英国製ミュージカル観劇。
合間で観た『パナマ・ハッティー』も面白かったけれど、
何となく私は、イギリス感覚の方が好きなのかもと思います。
１人のスター！がいて、それを囲む人々がいて、
さらに周りに「動く大道具」がいるという形の舞台は、
華やかで、主役のカリスマで全てが輝いて感じられる。
観終えて すっきりするのは、こっちかもしれない。

でも私は、出演者全員に、少しずつでも見せ場があって、
それぞれの役者のキャラクターが目に残ってしまって、
皆で作っている印象が強い舞台の方が、好きみたい。

力のある人を何人も集めないと、つまらなくなるし、
今の日本では、なかなか難しい面もあると思いますが、
その分、出会えると嬉しくなってしまうのも確か。
そして、あの人もこの人もその人も見落とせなくって、
通いたくなってしまうのも確かなんですよね・・・。
高いのに。困る。でも、嬉しい(^^)


＜index＞
 
１：チラシ＆郵便物から・・・
２：『チャーリーガール』4/4 18:00〜

−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−−・−・

１：チラシ＆郵便物から・・・
 

○『お熱い夜はいかが？』

     脚本・演出：大谷美智浩
     出演：駒田一、川本昭彦、鈴樹葉子、安藤聖、大谷美智浩
           永田治、広嶋耕一郎、水野江莉花、琴英真子、宇野淑子
     日程：2002/6/28(金)〜6/30(日)
     会場：シアターＶアカサカ
     料金：全席指定￥4,800--
     発売：2002/5/11(土)
     問い合わせ：演劇倶楽部「座」03(3400)6162

   初演『ミラクル』のキキ、安藤聖さん出演(^^)
   こっそり『漂流教室』見たりして追いかけていたのですが、
   久々の舞台活動ということで、ちょっと嬉しくなっています。

−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−−・−・

２：『チャーリーガール』4/4 18:00〜


  
※帝国劇場
※Ｓ席￥12,500-
※１階Ｒ列３４番
※１幕75分（休憩30分）２幕70分
※愛華みれ、錦織一清、鈴木綜馬、初風諄、太川陽介、森久美子、
  植田チコ、春風ひとみ
※松澤重雄、乾あきお、石山毅、砂川直人、阿部裕、青柳勝大郎、水野栄治
  田澤啓明、鴇田芳紀、須田英幸、宗田良一、日比野啓一、山名孝幸、
  桑原辰旺、川原信弘、井上正樹、藤森徹、俵和也
※北林優香、丸山知津子、古郡やすこ、家塚敦子、一倉千夏、柏木ナオミ、
  内田このみ、浅野実奈子、ちあきしん、小野佳寿子、栗原朗子、堀朋恵、
  足立美幸、湖上芽映、染谷妃波
※パンフレット：￥1,500
※作曲・作詞：ジョン・テイラー＆デヴィット・ヘネカー
※原作：ロス・テイラー
※演出：山田和也


＜あらすじ＞


豪壮な邸宅「ハドウェル・ホール」。
観光客を集め、中には博物館や動物園、ヌーディスト村まであるが、
実は、まだまだ現役のハドウェル伯爵家の家でもあり、
ガイド役は長女(春風ひとみ)と次女(植田チコ)だったりする。
もとショーガールのハドウェル伯爵夫人(初風諄)の発案による、
火の車である家計を助けるための苦肉の策である。

末娘のチャーリー(愛華みれ)は、車いじりが好きで
化粧など一切しない女の子。お金にも興味はないうえに、
愛する人とキスをしたらベルが鳴ると信じている奥手ぶり。
そんな彼女を、心ひそかに思っているジョー(錦織一清)は、
ハドウェル・ホール唯一の使用人で、管理・運営を全て担う男。
くじで高額賞金を得たと宝くじ会社からウェインライト(太川陽介)が
言って来るが、彼女は金持ちに興味がないからと、断ってしまう。

伯爵夫人のショーガール時代からの親友がやってきた。
ケイ・コナー(森久美子)。アメリカの石油王の未亡人。
一人息子のジャック(鈴木綜馬)は、シャンパンと女性なしでは
生きられないというプレイボーイで、堅苦しいイギリスは大嫌い。
コナー夫人は爵位が欲しい。ハドウェル夫人はお金が欲しい。
双方の利害は一致。けれど、ジャックは逃げたさいっぱい。

こともあろうにチャーリーは、いきなり、ジャックに一目惚れ。
ジョーは相談されて、彼女の思いを伝える手伝いをすることに。
ジャックも、最初は汚い格好で出会ったチャーリーが
伯爵家の三女とは知らず、どうやら気に入っている様子。
ウェインライトは、次女のフィオーナに のぼせている。
はたして、この恋愛模様、顛末は いかに？


＜感想＞


なんかもう最近、古典ミュージカルばっかり観てる気がするけど、
古くても残っているものは やはり、うまく作れば楽しく出来ている。
山田さんって、東宝ミュージカルには向かないんじゃ？と思ってたけど、
こういう、細かい遊びと堅実なセット、ちょっと変で魅力的な人々・・
といった舞台なら、なかなか巧いじゃないか！と感心しました。
さすが、三谷芝居でならした手腕だなぁと思ったりもして。
うん、なかなか満足(^^)

確かに主役は、前評判どおり、イマイチでした。
最初の印象は「演技も歌も×、姿勢は悪いし老けていて可愛くない」。
出てきた瞬間の周りの拍手と裏腹に、気持ちは冷めるばかりで。
でもだんだんと、歌は不安定だけど、元気の良い曲は割といけるし、
着ている衣装によっては、もう少し若く可愛く見えるときもあるし、
演技も邪魔になるほど下手ってわけじゃないかなと思えてきました。

最初のうち、あまりの彼女のコメディテンポの悪さに、
これが真央さんだったら良かったのに・・・と思ったんです。
でも、それじゃダメだということは、よく分かった。
イギリス産ミュージカルに多い、私の好きな形の舞台で、
メインキャスト全員のキャラが均等に立っているのが面白いのに、
真央さん主役だと多分また、ピラミッド型舞台になってしまう。

それじゃあ、せっかく揃えた個性派たちが無駄になってしまう。
大量のナンバーを全員に振り分けて、全員で作り上げる舞台だから、
主役にスター性がありすぎたら、却って困ると思うんです。
逆に、主役が多少弱くても、周りが良ければ十分に楽しめる。
こういう役者を主役に据えて行う舞台としては、最善だったと思います。

しかし本当に、脇もアンサンブルも、よく揃えたと思うほど魅力的。
誰が一番良かったか？なんて聞かれても、困ってしまうくらい。
多分、劇場全体が一番 盛り上がったのは、ジョーがメインの
大勢のダンスナンバー♪フィッシュ・アンド・チップスだろうけれど、
ジャックとコナー夫人のナンバーは、迫力あふれまくってるし、
コナー夫人と伯爵夫人が、足上げて踊っちゃうナンバーも楽しい(^^)

アンサンブルも大活躍で、オープニングの演出から一気に盛り上がるし、
バイクを囲んでガンガン踊るシーンあり、ジャックの影となって
一緒に優雅に踊っちゃうシーンありで、種類も出番も多い。
イギリス人から見たアメリカ人とか日本人とかの役でも現れて、
カリカチュアされた姿に、思わず苦笑してしまうところもあり。
チャーリーと一緒に女学生たちが歌う場面では主役の声を補佐し、
すっかり、勢いがあって かつ おしゃれな舞台の立役者。
観劇目的の半分はアンサンブルだったので、嬉しさ倍増です。

別に、全く大した話じゃないです。
恋愛模様がいろいろあって、しっちゃかめっちゃかやって、
それなりに、落ち着くところに突然 落ち着いちゃっただけの話。
でも、きっちり作りこんであって、テンポも良くって、満足。
少しだけ文句を言うとすれば、主役も同じ力量が欲しかった。
相手役・ニッキも、声が初日っから枯れてるっぽいのは辛かった。
でも、初日からこれだけ見せてくれれば十分 満足です(*^^*)
もう一回観たいなと思えて、とても幸せな気分です。


=================================================================